ペネトレイト会計事務所は資金調達に強みのある会計事務所ですので、融資についてのご相談をいただくことが多いのですが、その中で比較的多いのはこちらです。
資金がショートしそうです・・・
なんとかしてお金を集めなければなりません。
銀行から融資を受けたいんですが、借りることはできますか?
先に結論からお伝えしますと、このタイミングで銀行から融資を受けることは難しいです。一言で言いますと手遅れです。なぜ手遅れなのか、また融資を受けるべきタイミングについて詳しく解説していきます。
金融機関の立場で考えてみると?
自分の会社の売上が伸びてきて、利益も増えた。預金残高も多くなった時に経営者様はどう考えるでしょうか?
「借入金を減らすチャンス!」と思っていませんか?
借入金を繰り上げ返済すると・・・
- 支払う利息が少なくなる
- 借入金(負債)の金額が少なくなるため、決算書の見栄えが良くなる
- 返済実績になる
- 銀行の借入枠を空けられる
このようなメリットがあるから会社にとっては、お金があるなら早く返済した方がいい!と考える経営者様が多くいらっしゃいます。全て間違い!ではありませんが、注意すべき点があります。
それを考えるにあたって一度、銀行員の立場になって考えてみましょう。
銀行員はこのように考えています。
「この会社様(経営者様)は自分の営業成績に貢献してくれるか」
です。つまり、自分の出世に貢献してくれるかどうかを考えています。銀行員とは言えど、会社員です。お金という商品を皆さんに売っている営業マンです。「モノを売る=お金を貸す」になりますので、「売った金額によって評価される=貸したお金によって評価される」わけです。銀行員からすると、経営者様がなんとなく発した「借入金を返済したい。無借金経営を目指しています。」という言葉は、銀行員からすると「あなたの営業成績には貢献しない。あなたの売上になる利息を払うつもりはない。」と言われているのと同じなんです。
そうすると、皆さんは「自分たちがお金を借りたくない時に貸したい、自分たちが本当にお金を借りたい時に貸さないは、銀行の都合ばかり考えて自社のことは考えてくれない」と銀行員を悪く思うかもしれませんが、銀行員の立場からすると「お金が必要な時だけ借りたいは経営者様の都合ですよね?」となります。
とにもかくにも、銀行員とケンカをしても何もメリットがありませんので、経営者様は銀行員の考えも知ったうえで適切なタイミングで融資を受けて、銀行員と良いお付き合いをしていく。これが会社経営を続けていくのに必要なことです。
融資を受ける適切なタイミングは業績が好調のとき!!
業績が悪いとき、お金が無いとき、資金繰りが厳しいとき、先々に不安ばかりのとき、このようなタイミングでは、銀行はお金を貸してくれません。なぜならば、貸したお金が返ってこないから(返ってくる可能性が低いから)です。
では、融資を受ける適切なタイミングは?と言うと、業績が好調のときです。業績が好調のときはいくらでも借りる理由を作ることができます。例えば
- 手元資金を厚くしておきたい
- 取引先が増えて売上の目途が立ったから仕入を増やすための資金が欲しい
- 社員を増やしたい
- 設備投資をしたい
業績が好調のときこそ、さらに利益を増やしたいという理由で融資を受けると銀行も応援しやすい状況になります。「銀行は雨の日に傘を貸さない」は事実ですので、「晴れの日に傘を借りておき、雨が降ったらその傘で凌ぐ」ことが会社経営にとって安全です。
また、業績が悪いときは、利率が高い、返済期間が短いなど悪い条件であっても融資を受けられるなら何でも良いと考えるしかありませんが、業績好調時こそ良い条件で融資を受けられるチャンスです。
- 無担保
- 経営者保証無し
- プロパー融資
- 低金利
- 当座貸越
- 返済期間が長い
業績が好調であれば無理に融資を受ける必要がありませんので、銀行に対して上記の交渉をいくらでもすることができます。このような機会を逃さずに良い条件で手元のお金を厚くしておく方が良いです。
決算書が出来上がって過去最高の業績だった時はぜひ融資の申し込みをご検討ください。
まとめ
今回は金融機関から融資を受けるタイミングについて解説しました。業績が好調なタイミングであっても、借りられるならいくらでも借りるというわけではありません。適切なタイミングで適切な金額を借りることがポイントです。融資のご相談をしたい方は是非一度お問い合わせください。
ペネトレイト会計事務所は、融資・資金調達に強みのある会計事務所です。
融資サポートに十分な実績があり、事業計画の作成や面談対策など、融資を受けるための一連の手続きをサポートさせていただきます。
また、事業計画書の業種ごとのサンプルもご用意しております。それを基に経営者の皆様とじっくり相談しながらお客様に合った計画書を作成し、事業を発展させるサポートをさせていただきます。決算書を作るテクニックも有しております。
「融資の最新情報を知りたい」、「資金調達が必要」などお困りの際はご相談ください。