日本政策金融公庫【新規開業資金】の拡充について解説!!

創業時の融資として最も利用されるのが日本政策金融公庫ですが、令和4年度第2次補正予算成立に伴い、新規開業資金の融資制度について令和5年4月1日~条件の変更がありました。今回はその拡充内容について詳しく解説していきます。

新規開業資金とは

新規開業資金は、日本政策金融公庫が新規開業者のために設けている融資制度です。概要は以下のとおりです。

◆利用できる方
新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方

◆資金の使い道
新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金および運転資金

◆融資限度額
7,200万円(うち運転資金 4,800万円

◆返済期間
①設備資金   20年以内(うち据置期間2年以内)
②運転資金    7年以内(うち据置期間2年以内)

◆利率
基準利率。ただし、一定の要件に該当する方は特別利率

一定の要件とは・・・
①女性の方、35歳未満または55歳以上の方
②外国人起業活動促進事業における特定外国人起業家の方で新たに事業を始める方
③創業塾や創業セミナーなど(認定特定創業支援等事業)を受けて新たに事業を始める方
④「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用しているまたは適用する予定の方で自ら事業計画書の策定を行い、認定経営革新等支援機関(税理士など)による指導および助言を受けている方
⑤地域おこし協力隊の任期を終了した方であって、地域おこし協力隊として活動した地域において新たに事業を始める方
⑥Uターン等により地方で新たに事業を始める方
⑦地方創生推進交付金を活用した起業支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める方
⑧地方創生推進交付金を活用した起業支援金および移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める方
⑨独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合から出資を受けた人
⑩技術・ノウハウ等に新規性がみられる方

◆担保・保証人
基本は必要だが、併用できる融資制度により不要となるケースもある

参照:日本政策金融公庫HP 新規開業資金 新規開業資金|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)

新規開業資金の拡充内容

上記のとおり、新規開業資金の概要をお伝えしましたが拡充される箇所はズバリ、利率です。令和5年4月1日以降に適用されます。

利率について

日本政策金融公庫では、それぞれの融資制度について基準利率を設けていますが、一定の要件に該当する場合は「特別利率」を適用してくれます。特別利率は基準利率よりも低い利率となっています。

参照:日本政策金融公庫HP 国民生活事業(主要利率一覧表)金利情報|国民生活事業(主要利率一覧表)|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)

拡充内容①

創業塾や創業セミナーなど(産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援等事業)を受けて新たに事業を始める若者(35歳未満の方)について、利率の引き下げがありました。特別利率D(基準利率-0.65%)になります。

こちらは、元々「認定特定創業支援等事業を受けて新たに事業を始める方」は特別利率Aの適用がありましたが、35歳未満の若者については特別利率Dの適用となることが追加されました。

拡充内容②

日本ベンチャーキャピタル協会の会員(賛助会員を除く。)等または中小企業基盤整備機構もしくは産業革新投資機構が出資する投資事業有限責任組合から出資を受けている方(見込まれる方を含む。)について特別利率D(基準利率-0.65%)になります。

こちらは、元々「独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合から出資を受けた人」となっていたものが、「日本ベンチャーキャピタル協会の会員(賛助会員を除く。)等または中小企業基盤整備機構もしくは産業革新投資機構が出資する投資事業有限責任組合から出資を受けている方(見込まれる方を含む。)」となり、対象者の拡充と利率の引き下げがありました。

拡充内容③

J-StartupプログラムまたはJ-Startup地域版プログラムに選定された方のうち一定の要件を満たす方について特別利率D(基準利率-0.65%)になります。

こちらは、シンプルに対象者の拡充と特別利率Dの適用対象となりました。

まとめ

今回は、日本政策金融公庫の新規開業資金の拡充について解説していきました。内容②③について該当する方は少ないかもしれません。しかし内容①について若者にとっては非常に良い拡充になったと思います。ただ、数多くの融資サポートを行っている中で、「認定特定創業支援等事業」を利用して事業を始める方が少ないように思います。あまり世間に知られていないのでしょうか。特に会社を設立する場合、登録免許税が資本金の0.7%の登録免許税が0.35%に軽減(株式会社の最低税額15万円の場合は7.5万円、合同会社の最低税率6万円の場合は3万円の軽減)されるという大きなメリットもありますので、創業時にはぜひ利用していただきたい制度です。

ペネトレイト会計事務所は、融資・資金調達に強みのある会計事務所です。
融資サポートについて数多くの実績があり、事業計画の作成や面談対策など、融資を受けるための一連の手続きをサポートさせていただきます。
また、創業時については上記のように有利となる制度のご案内をさせていただきますので、創業前にご相談ください。

この記事を書いた人

吉岡 博和

ペネトレイト会計事務所 代表税理士